【DTM】電源で音質が上がるも下がるも正しい結果だと思う

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DTMにおける電源の話です。

電源の重要性

電源によってその機器の音質が左右されます。電源はとても大切なものです。

と、思ってはいるものの、この辺りを本格的に対策しようと思うと、200Vからトランスを入れたり、電圧の安定化を図ったり、壁のコンセントを工事し直したりと言うように手間もお金もかかるようになるのですよね。

そんな中、比較的手軽に電源対策を行えるのは、ノイズフィルター付きの電源モジュールや電源タップを使うことです。TASCAMの「AV-P25RMK2」やFURMANの「SS-6B」などは安価で手に入る電源であり、多くの人たちに使用されている製品でもあります。

もっと高価な2桁万円くらいの電源モジュールもあるにはありますが、個人レベルではなかなかそこまで出せないのが実情じゃないかなと。(拘っている人ももちろんいますが。)

今回、僕が本記事で扱おうとしているのも言わばエントリーモデルの電源です。記事内容についてもコアな部分を扱うのではなく、電源について少しケアしておきたいという人向け、エントリー向けの内容であることご了承下さい。

電気はもともと汚れている

発電所で作られた電気は電線を通り一般家庭に流れてきます。

通常、家庭に届く電気というのはクリーンなものではなく歪んだ波形(電圧)として流れてきます。部屋のコンセントに供給される100Vの電気も歪んだ波形であり、ノイズがのった状態で電圧が送られているのです。

テレビなどの家電製品を動作させるには問題ありませんが、オーディオ機器などを扱う場合は電源に含まれているノイズが悪影響を及ぼすことが多々あるのですよね。

このノイズに対して容易にできる対策としては、上に挙げたようにノイズフィルター付きの電源モジュールなどを使用することです。電源モジュールによってクリーン化された電気を使うことで、ノイズの軽減はもとより、音にハリがでた、迫力がでた、音が元気になったなど音質が良くなるケースもあるのです。

じゃあ、今の自分の環境ではどれほどの変化があるのか?クリーンな電源による音質への影響を確認すべくテストを行ってみました。

今回使用した電源の種類は以下の4つです。

壁コンセント

壁コンセントは何も特別なことはしていない一般的な部屋のコンセントです。以下、「壁コンセント」と書いた場合には機器を壁コンセントに直接挿した状態とします。

千円タップ

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こちらはホームセンターなどで購入できる千円程度の電源タップ(以下、千円タップとします。)

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ちなみに千円タップ分解するとこんな感じです。電気が通る金具しか入っていません。

ETA PD8

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ETAの電源モジュール「PD8」という型番のもの。ラック式の電源モジュールです。価格帯としては1万円程度の手頃な製品です。

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こちらも分解してみると、中にノイズフィルターやサージ回路などが搭載されています。コイルやコンデンサでノイズをフィルタリングするようになっているものです。

FURMAN SS-6B

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FURMAN SS-6B。数千円程度と安価な割にネットでの評価が高い電源タップです。

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こちらもついでに分解してみました。ETAのものと同様にノイズフィルターやサージ回路などが搭載されています。この角度じゃ基盤の裏側しか見えないですが。。

極性を確認

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音を聞く前に、壁コンセントから電源タップまで4種類すべて極性の確認を実施しました。極性でも音は変わりますし、重要なポイントです。使用したのは検電ドライバー。

機器を接続して音質への影響を確認

ようやく音の確認です。まずは適当な曲を再生して、音質への影響を確認します。

使用する機材は、パソコンはMac、オーディオインターフェイスはApollo Twin、音楽の再生にはiTunes。

電源は、壁コンセント、千円タップ、PD8、SS6Bと4つあるので

組み合わせとしては、

Macを4種の電源で比較(このときApolloは壁コンセント固定)。

Apolloを4種の電源で比較(このときMacは壁コンセント固定)。

という8つのパターンで音を聞き比べてみました。

結果は、、、

Mac、Apolloともに解像感、ダイナミクス、超高域の伸び、空気感、音の分離などは壁コンセントが最も優秀。順番としては、

壁コンセント>千円タップ>PD8>=SS-6B

というところです。ノイズフィルター搭載のPD8やSS-6Bの音は、低域が豊かで音に安定感はあるものの、落ち着きすぎてしまっているのですよね。音に元気がないとも言えます。

アナログ機器でも評価

MacやApolloはデジタル機器だったため、アナログ機材でも試してみました。

ギターのアナログプリアンプです。接続は、ギター→プリアンプ→Apollo→Mac(DAW Logicへ録音)です。

MacとApolloは壁コンセント固定で、プリアンプのみ千円タップ、PD8、SS-6Bと電源を差し替えて録音してみました。(壁コンセントは差し込むところがなかったので、3種の電源で比較です。)

結果は、、、

同じ傾向。千円タップが良くて、PD8やSS-6Bは解像感やダイナミクスが失われ、音やせしているような印象。ただ、ノイズとしては千円タップよりPD8やSS-6Bのほうが若干軽減されている印象です。

まとめ

長くなって申し訳ないですが、この結果、どう思われますか?

「そんなことないんじゃないの?SS-6B持っているけど壁コンセントよりも良かったよ」っていう人もいれば、
「電源でそんなに変わらないよ。きっとプラシーボだよ」なんて言う人もいると思います。

本記事で書いた内容は少なくとも僕は正しいと思っていて、でも、反対の意見がでてもそれはそれで正しいと思うのです。

もちろん、音質という定性的な評価なので、聞く能力として未熟だったり、プラシーボ効果があったりということも十分に考えられますが、基本的にはどのような結果も起こりえるのです。それは条件が異なるからです。

機材起因によるものと環境起因によるもの

電源による影響は機材によってまちまちです。良くなるものもあれば、変わらないものもあったり、中にはノイズフィルターなどにより音痩せするものもあります。

それに、使用しているタップにどれだけの負荷をかけているか(どれだけの機器を接続しているか)、さらに言えば、家の中の配線も各家庭によって大きく異なります。他の部屋で使っている電化製品から発生された大きなノイズが影響することだってあります。

集合住宅ではさらに問題は複雑になります。自分でコントロールできないところが大きく影響するのですよね。

なので、仮に僕と同じ機材で、同じテストをしたとしても、結果が異なるというのは十分に考えられます。

それに今回のテスト結果だって、きちんと再現するかどうかなんて分かりません。もしかしたら条件の良い状態だったかもしれません。時期的にエアコンも付けていないですし、マンションなので周囲の住民が出かけていたかもしれません。

なので、今回のテストでノイズフィルターがいまいちだったとしても、フィルターレスが最適かと言うと、ちょっと違うと思うのですよね。

電源モジュールの役割

今更何ですが、そもそもPD8やSS-6Bと言うのはノイズをフィルタリングしたり、雷などの大電流から機器を保護する目的のものです。

ちょっと誤解を生みそうですが、音質が向上するというのは、ノイズが少なくなるからこそ音が良く聞こえてくる。と言うものであり、製品自体の主な目的はノイズや機器の保護にあり、音質が良くなると言うのは副次的な産物だと思うのです。

この辺りは考え方によるところもあると思いますが、ノイズフィルター付きの電源モジュールを使う意味は何であるか?という部分は大切なところなのじゃないかなと。

電気的な知識がある人からすると、もっと色々な意見が出てくると思います。僕には知識が足りません。もう少しこのあたりのことを学んでいきたいなと思っています。

電源モジュール

TASCAM (タスカム) AV-P25RMKIII 電源モジュール
TASCAM (タスカム) AV-P25RMKIII 電源モジュール

FURMAN (ファーマン) SS-6B 電源ケーブル/タップ
FURMAN (ファーマン) SS-6B 電源ケーブル/タップ

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